ラブライブ!サンシャイン!! ストーリー総論
2週間前に最終回を迎え、BD1巻が出たり、秋葉原で伊波さん逢田さんがサプライズゲストで登場するイベントがあったり、3rdシングルセンターをかけた総選挙の中間発表があったり。様々ありました。まあなんといってμ'sのファイナルライブのBDが発売されたことが何よりもビッグなイベント。
いろいろあった中ではありますが、今回のアニメに関して私の中で思ったことのまとめみたいなのを書いていきます。
2期を期待しすぎたんだ私もあなたも。制作側も?
最終回を見て#13の感想を書いて、さてさてネットでの評判はどうかな?と漁った後に思ったこと。やっぱり2期ありきで見てしまう。程度の差はあれど誰もが感じていたことではないでしょうか。
思いを託すという意味では制作側にもその心が見えました。
まず、このラブライブ!サンシャイン!!というアニメを放送するタイミングについて考えてみると。
・μ'sロスになっている人たちを逃したくないので、2016年4月以降になるべく早く
・イメージ的に夏が望ましい
ということは2016年夏アニメとして放送するのがベスト。たしかにサンシャイン!!発足から1年もたたずにアニメ化というのはμ'sと比べると段違いのペースなのですが、2016年秋とか2017年に放送していると競合にファンを取られてしまう。だから2016年夏がベスト。
映画上映から1年ちょっとのスケジュールでまた新しくお話を作る。これだけでも大変そうなのに、ファイナルライブ後のファンの気持ちや動向を予想しながら作るのは至難の業でしょう。下手に奇をてらうような展開にすればファン離れが加速し、かといって平坦な展開にすれば飽きられちゃう。このあたりのさじ加減を慎重に行った結果が、今回のAqoursの物語なのかなと想像します。言い方に語弊があるかもしれませんが1期は無難に作って2期からはμ'sに頼らずAqours一本で勝負する、そういう思いが伝わってきます。
丁寧
じゃあ1期は本気じゃないの?と言われるとそれはまた別の話。
無難ではありますがそれだけ丁寧に描かれていたと思います。特にメンバー加入の話はどれもよく練られていました。曜、梨子、ルビィ、花丸、善子、果南、鞠莉、ダイヤ。どのメンバーも加入までの間にドラマがありましたね(曜は#1で加入でしたが、想い自体は#11で描かれていました)。
この点ではμ'sの物語に勝るはず。ただμ'sの方は当時売れるかどうか分からない大勝負ということもあり、かなり奇抜な物語で、だからこそ惹き込まれるものがあったのかなと思います。「ラブライブ!」と冠しているのにラブライブの大会には出ないって相当なもんだよなあ。
BGMもμ's側に軍配が上がるかな。
(絶望)[LM05](でででーん、でででっでっでっでっでーんってやつ)
ルンルン↑どんより[LM06](途中でででーんと曲調が変わってピアノになるやつ)
こんなん1話のしょっぱなから流されたら、ねえ。他にも耳に残るものが多かったです。
Aqours側だとニネンブリデスカのBGMは良かったというよりはインパクトがあるというか。
BGMだけでなく挿入歌もAqoursは丁寧(おとなしめ)な感じ。でも挿入歌はどっちも好き。
輝きたい!その思いは過去から未来へ伝播する
今回のストーリーを通じて制作側が伝えたかったことはこれなんじゃないかな。
・輝くにはどうすればいいの?
・輝くと何が達成できるの?
・どのように伝播するの?
これらの疑問はすべて物語後半に描かれています。
千歌ちゃんにとって輝くということは、
自分ひとりじゃなくて
誰かと手を取り合い
みんなで一緒に輝くことなんだよね
― 渡辺曜(#11)
私や曜ちゃんや、普通のみんなが集まって
一人じゃとてもつくれない大きな輝きを作る
その輝きが学校や聞いている人に広がっていく、繋がっていく
― 桜内梨子(#11)
それが千歌ちゃんがやりたかったこと
スクールアイドルの中に見つけた輝きなんだ
― 渡辺曜(#11)
μ'sみたいに輝くってことはμ'sの背中を追いかけることじゃない
自由に走るってことなんじゃないかな
全身全霊、なんにもとらわれずに、自分たちの気持ちに従って
― 高海千歌(#12)
輝くって楽しむこと
あの日、0だったものを1にするために
さあ行くよ!
― 高海千歌(#13)
・輝くってどういうこと?
→自由に走ること。楽しむこと。(一人ではなくみんなで一緒に)
・輝くと何が達成できるの?
→Aqoursの場合は「0を1にする」こと
・どのように伝播するの?
→自分たちの輝きを見せれば、見ている人たちに伝播する
どのように伝播していくかは#13の前半のくだりがまんまですね。多少強引な展開だったとはいえ、それでも伝えたいことをしっかりと伝えたかったんだと思います。
段落のタイトルに「輝きたい!その思いは過去から未来へ伝播する」と書きました。過去から未来とはどういうことか。
時系列順に見ていきましょう。
・μ'sから千歌へ
これは1話を見ていればすぐ分かります。
・千歌からAqoursメンバーへ
・Aqoursから浦女の全校生徒へ
作中で展開されているので「過去から未来へ」というよりは正確には「現在進行系」か。
・Aqoursから未来の誰かへ
君のこころは輝いているかい?
― Aqours(#13)
このセリフ。これはきっとこの先の未来、誰かに対するセリフなのではないかなと思っています。
この言葉を発する前、Aqoursは9人で写真を撮っていました。写真とは未来に残るもの。千歌がスクリーン越しに会ったμ'sから「輝きたい」を受け取ったように、誰かがあの写真越しに「輝きたい」を受け取るかもしれない。「輝きたい」という思いはその場限りで広がるものだけではなく、過去から未来へ受け継がれるもの。それを表現したのが最後のあのシーンだったのかな。
初見時は正直よく分からないシーン。君のこころは輝いているかい?の歌詞ともニュアンスが違っているような気もするし。ラブライブ!はメディアミックスでそれぞれに独自設定があるので、歌詞とアニメで伝えたいものが違くても全然おかしくはないのですが、若干混乱してしまいました。「君のこころは輝いているかい?」って私(視聴者)に問いかけているのかなとも考えましたが、過去から未来へ~の方がしっくりくるかな。
でも、残念ですけどここには何も残って無くて
μ'sの人たち何も残していかなかったらしいです
(中略)
物なんて無くても心はつながっているからって
それでいいんだよって
― 生徒(#12)
「それでいいんだよ」ってすごい穂乃果らしさを感じる。
μ'sは形の残る物としては何も残していきませんでした。だけどその思いは形を変えて受け継がれています。「輝きたい」もそうだし「勝ちたい」という思いだってそうです。AqoursとSaintSnowは方向性は違えど、先輩スクールアイドルから大切なものを受け継いでいます。
千歌の意見では勝ちたいとか追いかけたいに囚われるのは「not 輝く」らしいですが、いやいやそれでもSaintSnowも十分に凄い。作中での「輝く」とは違うかもしれませんが、彼女たちも輝いています。スクールアイドルが何に価値を見出すのかそれはスクールアイドルの数だけ存在する…という月並みなまとめになりそうです。
0から1へ。無から有を生み出すのは思った以上に大変です。ですが数字上ではたった1しか増えていないのも事実。13話かけてようやく一歩を踏み出した。この13話はプロローグのようなもの。作中では夏休みまで進んだので、2期以降でどういうペースで展開されていくのかは気になります。あまりハイペースだと2~3年後にAqoursもファイナルを迎えてしまうという懸念も。
まあアニメだけに注目すると…ですね。実際は誌面、CD、コミックス、ライブと展開されているのでいろんな時空のAqoursを見ていきたいです。コミックスの果南ちゃんはすごくいい。
・みんな2期に期待していた感があった
・物語の内容は無難ではあるが作りが丁寧
・輝きたいという思いは受け継がれていくんだな
この3点。今回のアニメで私が思ったことです!